地区:福井県永平寺町 区間:金津〜永平寺/24.6km 軌間:1067mm/単線 動力:電気
大正 | 14(1925) - | 9/ | 16 | 永平寺鉄道 | 開業 |
昭和 | 19(1944) - | 12/ | 1 | 京福電気鉄道に合同 | |
44(1969) - | 9/ | 17 | 〃 金津〜東古市 | 当日を以て廃止 | |
平成 | 13(2001) - | 6/ | 25 | 〃 | 福井地区全路線休止 |
14(2002) - | 1/ | 31 | 〃 東古市〜永平寺 | 当日を以て廃止 | |
2/ | 1 | えちぜん鉄道、京福電気鉄道の福井地区路線を譲受 | |||
7/ | 20 | 〃 | 営業再開 |
J | ![]() |
生活道は南進するにしたがって路面状態が悪くなり、ついに未舗装の農道(写真J)へと変わる。 | |
17年9月 |
さらに南へ向かう道路が平行する国道と交差し坂井市に入った途端、線路跡は農地の中にかき消されてしまう。 乗兼(写真K)にも民家が建つが、当時の待合室が道路沿いに移設され、コミュニティバスの停留所として再利用されている。 |
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K | |
17年9月 |
L | ![]() |
集落内には橋梁跡(写真L)も一か所姿を見せ、それに続く路盤西側の石垣が当時からのものと教えてもらった。 | |
94年3月 |
さらに南へ向かう路線は竹田川を渡るが、ここに橋台(写真M)が両岸とも残されている。現在、左岸側は雑草でほぼ隠されしまい、右岸側橋台と橋脚二本の基礎部分もいまだ撤去作業はないと聞いたが、やはり雑草に覆われ近づくことさえできない。北側の農地から遠望すると、橋梁位置で堤防が盛り上がっていることを確認できる。 川を越えたのちは生活道の東脇を併走することとなる。線路跡は既に農地に組み込まれているものの、その中に小橋梁跡が二箇所(写真N・O)顔をのぞかせている。 |
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M | |
94年3月 |
N | ![]() |
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O | |
15年9月 | 15年9月 |
P | ![]() |
ここから先は宅地と空き地の混成になるが、土地の境界線は連続して続き、跡地を確認することは比較的容易だ。 そのまま県道147号線に接近すると、ホーム跡の残る長畝(写真P)に到着する。ただ地盤沈下によるものか、ホーム全体が若干傾いているのは気にかかる。 |
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16年4月 |
駅の南にも橋梁跡(写真Q)が残り、続いて五味川にぶつかると、右岸堤防の外側に橋台(写真R)が姿を見せる。ちょうど堤防と民家の境界付近だが、これは北側に連続していた小橋梁の遺構と考えられる。 五味川は既に直線化を含む河川改修が完了しているため、架橋跡は消滅してしまったようだ。 |
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Q | |
18年7月 |
R | ![]() |
川の先で数軒の民家を抜けると一車線道路が現れる。永平寺線のルートに一致するものの、実際の線路跡は道路の東隣りとなる。 | |
17年9月 |
さらに路盤上に建つ工場、民家等を抜けた先の農地内には築堤が残され、橋台(写真S)も発見することが出来る。 | ![]() |
S | |
17年9月 |
T | ![]() |
そのまま県道17号線と交差した後は丸岡の市街地に飛び込み、左カーブで南に向きを変えると、電車道と呼ばれる一車線道路に出る。この中ほどに丸岡口(写真T)が設けられ、今も道路脇に残るくさび型の空き地は、駅構内の一画を占めていた可能性が高い。 駅の先は再び密集地に入り込み、跡地を直接たどることは困難となる。 |
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94年3月
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しばらく住宅地の中を進んだのち、西里丸岡公民館を抜けると当時の路盤が現れる。路盤上には数軒の民家も建つが、その南方に連続した橋台、橋脚(写真U)を確認できる。 ただ川は既に埋められて空き地に変わり、場所柄なんとも不思議な雰囲気を醸し出している。 |
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U | |
17年9月 |
V | ![]() |
更に、すぐ南を流れる小川にも橋梁跡が残る。川岸にあるのが橋脚(写真V)で、橋台はやや奥に顔をのぞかせている。これは河川を含めた大幅な土地改良が実施された事をうかがわせる。 なお以前は両岸に橋脚が残っていたが、北側はすでに撤去されてしまった。 |
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94年3月 |
「一筆啓上賞」で全国に名を馳せた丸岡町。平成の大合併で坂井市と名を変えたが、その旧丸岡市街の中央に位置するのが本丸岡(写真W)。 北陸線丸岡駅へ接続する丸岡線との乗換駅でもあり、広い駅構内を利用してバスターミナルに生れ変わり、今では頻繁にバスが発着している。 |
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W | |
94年3月 |
X | ![]() |
駅の南側は道路なのか空地なのか、判別不能な状況(写真X)が県道10号線との交差点迄だらだらと続き、その後は一車線の舗装路に再利用される。 | |
94年3月
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ゆるやかな左カーブで南東に向きを変えると今度は県道167号線と鋭角に交差し、再び宅地や農地、未舗装の生活道等に細分化される。この中に西瓜屋(写真Y)のホーム跡が残されている。 道路への転換話が立ち消えて以来、取り壊しに費用のかかるホームは放置状態とのこと。 |
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Y | |
15年9月 |
Z | ![]() |
しばらく宅地と農地が繰り返されたのち、北陸道の直前で北から南下してきた県道17号線に合流する。この手前、一車線道路脇の用水に橋台跡らしき石積み(写真Z)を見つける。かなり崩れているため断定はむつかしいが、ルートにも一致し、永平寺線の遺構である可能性は高い。 | |
17年9月 |
ここからの県道は線路跡を転用して建設され、やがて左手に近づくJA施設の北側が末政(写真AA)の駅跡となる。ただ最近はJAの統廃合が促進されているのか、以前目印となっていた道路脇の事務棟が消えて更地に変わってしまった。 次の油為頭交差点の手前には油(写真AB)が置かれ、駅舎跡の生活改善センターから北に向かってホームが延びていた。さらに県道を進むと友末(写真AC)、楽間(写真AD)、二代目鳴鹿(写真AE)と各駅が続く。 下記参考資料にはホーム跡等の写真も載せられているが、道路転用に伴って今では鉄道の構造物は何一つ発見出来ない。 |
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AA | |
17年9月 |
AF | ![]() |
その後しばらく走ると県道112号線にぶつかり、二車線道路への転用は終る(写真AF)。この先は一車線の舗装路に変わり、九頭竜川を越えるため右に大きくカーブを切る。 | |
94年3月 |
カーブ途中の初代鳴鹿(写真AG)は民間の工場に利用されていたが、すでに閉鎖されてしまったようだ。道路も雑草に覆われて、これ以上は進めないため迂回せざるを得ない。 | ![]() |
AG | |
17年9月 |
AH | ![]() |
この路線建設で最大の難所であったろう九頭竜川の鳴鹿鉄道橋、右岸には築堤と共に橋台(写真AH)が残されている。現堤防のやや北奥となるが、開業時、九頭竜川はここで河道が二手に分かれていたため、現在より川幅は広かったようだ。 旧版地形図を眺めると、道路用の鳴鹿橋はやや上流の川幅の狭い箇所を選択しているが、永平寺線はその倍近い箇所に架橋している。当時としてはかなりの決断が必要だったろう、などと考えるのもまた楽しい。 |
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17年9月 |
左岸には橋脚(写真AI)が顔を出していたものの、堰の移設に伴う整備で撤去されたのか、今ではその位置すら判然としない。 なお橋はトラスとプレートガーダーの混成で、理由は不明だが流れの速い箇所がトラス、遅い箇所にプレートを採用していたと地元で聞いた。 川を渡り国道416号線と交差し、ゆっくり左に曲がると右から越前本線が近づき併走する。この合流点では踏切跡(写真AJ)と小橋梁跡(写真AK)を確認することが出来、左カーブ地点にも路盤の境界線が一部残されている。 |
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AI | |
94年3月
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AJ | ![]() |
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AK | |
17年9月 | 17年9月 |
AL | ![]() |
そのまま越前本線と並んで永平寺口(写真AL)に到着する。当時は東古市と呼ばれていたが、永平寺までの区間が廃止されたのちに駅名変更されている。 また金津からの路線がつながっていた時期には北側にも永平寺線専用のホームを持っていたが、駅前整備に伴って新しい駅舎にその場所を譲った。 隣接する古市変電所もお化粧直しされ、その変貌ぶりに驚くばかりだ。 |
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17年9月 |
道なりに進み中部縦貫道をくぐると、道路上に当時の線路が再現され(写真AO)、モニュメントのごとく展示されている。この先も同様なミニ線路が何箇所も繰り返し出現するが、説明書きがないのはやや残念なところ。 | ![]() |
AO | |
17年9月 |
AP | ![]() |
田圃の中の一本道といった風情の遊歩道を南下し、小さな集落に入るとすぐに永平寺川を渡る。ここは鉄道時代の橋梁(写真AP)がそのまま遊歩道用に転用されている。 | |
17年9月 |
川の南にあった京善(写真AQ)は小さな広場と休憩所に変わっている。やはり鉄道や駅跡に関する案内表示は一切なく、一抹の寂しさを感じざるを得ない。 駅に隣接する踏切跡にレールが残されているが、実際に使用された線路の一部なのか、残念ながら確認は出来なかった。 |
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AQ | |
17年9月 |
1/50000 | ![]() |
[S28応修] | ![]() |
[S8要修] | ![]() |
[T15鉄補/S28応修] | ||
1/25000 | ![]() |
[S44測量] | ![]() |
[S44測量] | ![]() |
[S5測図/H11部修] | ![]() |
[S33二修] |