地区:福井県大野市 廃止区間:勝山〜京福大野/8.6km 軌間:1067mm/単線 動力:電気
豪雪地として知られる福井県大野市。県都福井への交通路は九頭竜川の増水によって度々閉ざされた。状況を改善し、年間を通じての輸送手段確保を目的に越前電気鉄道線が開業した。地域の発展を目指す県の後押しも大きかった。しかし昭和の半ばに越美北線が開通すると、競争力を失った勝山〜大野間は惜しまれつつ廃止された。残された区間はその後、小康を保っていたが、平成に入り二度の大きな事故を起こし存続の危機に面した。最終的には二年以上の休止期間を経たのち、沿線自治体の応援を得て第三セクターのえちぜん鉄道として再出発している。大正 | 3(1914) - | 2/ | 11 | 京都電灯 越前電気鉄道線 | 開業 |
昭和 | 4(1929) - | 9/ | 21 | 〃 〃 | 全通 |
17(1942) - | 3/ | 2 | 京福電気鉄道として独立 | ||
49(1974) - | 8/ | 13 | 〃 勝山〜京福大野 | 廃止 | |
平成 | 15(2003) - | 2/ | 1 | えちぜん鉄道に改称 | (譲渡) |
A | えちぜん鉄道勝山永平寺線の終点勝山(写真A)は、市街地との間に九頭竜川が流れ、やや不便な場所に設けられている。 以前はここから大野市内までレールが続き、その跡地は県道168号線として南に延びる。 |
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16年4月 |
県道はすぐ右にカーブするが、こちらは旧ルートに相当し、途中に短い中島トンネル(写真B)が掘削されていた。これは道路転換とともに開削され、今は切り通しに変わっている。 | B | ||
16年4月 |
C | 車両の大型化が計画されると、狭いトンネルと急カーブがネックになったため東側に線路を移設し、三室川沿い(写真B)から農地の中を通り抜けて旧線上に合流していた。 橋梁も一箇所あり、道路橋として改修されているものの、橋台の下部は鉄道時代の再利用と思われる。 |
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16年4月 |
ここで新旧ルートが再び分離する。 旧線側は駅から真っ直ぐ進み、初代下荒井を過ぎると県道170号線沿いの山腹に沿って大回りする。線路跡は一部が落石防護柵の設置に利用されるものの、大半は放置され荒れ地となる。ただその中に、短い下荒井トンネル(写真H)が当時の姿でたたずんでいる。 |
H | ||
16年4月 |
I | 新線側は駅を出るとすぐ右に曲がり、新トンネル(写真I)に入る。車両の大型化に対応するため掘削され、旧来線は大きくショートカットされた。 トンネルを抜けると両線は一体化し、そのまま清滝川を越える。川の先は旧国道の西側を併走していたが、今は道路の拡幅に利用されている。 道路沿いに続く新在家(写真J)、中津川(写真K)の各駅は、共に同名のバス停が目印となる。 |
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16年4月 |
O | 開業後に延伸され終点となった京福大野(写真O)は、市街地の三番交差点東南角に設けられ、その地名から当初は大野三番と称していた。 ただ駅跡は既に銀行などに変わり、終着駅の雰囲気は消し去られている。 |
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16年4月 |
1/50000 | 永平寺 | [S28応修] | 越前勝山 | [S28応修] | 大野 | [S25応修] | 荒島岳 | |
1/25000 | 山王 | [S44測量] | 越前勝山 | [S44測量] | 越前大野 | [S48測量] | 荒島岳 | [S45測量] |