山形交通高畠線を訪ねて
尾花沢線 三山線 廃止鉄道ノート東北 減速進行

 地区:山形県東置賜郡高畠町  区間:糠ノ目~二井宿  軌間:1067mm  動力:電気

山形県にはJRと接続する形で、高畠鉄道、三山電気鉄道、尾花沢鉄道、庄内電気鉄道の各私鉄が敷設され、第二次世界大戦中この内3社が統合し山形交通が生まれた。昭和40年代にすべて廃止されたが、廃止鉄道としてはかなりよく知られた存在かもしれない。趣味誌にも取り上げられるし、Webにも情報は多い。圧巻は高畠線の高畠駅跡だが、やはり実際に訪れて自分の目で確かめるのと、写真などから得る間接情報では雲泥の差がある。
新幹線や高速道も開通し交通の便も良くなった現在、一度は訪ねたい廃線跡。

略史

大正 11(1922) - 3/ 16  高畠鉄道  糠ノ目~高畠間 開業
13(1924) - 8/ 31    二井宿まで延長
昭和 18(1943) - 10/ 1  尾花沢鉄道、三山電気鉄道と合併山形交通に改称
43(1968) - 10/ 1  山形交通 高畠~二井宿間 廃止
49(1974) - 11/ 16    三山、高畠線 廃止

路線図

山形交通高畠線路線図


廃線跡現況

糠ノ目(A参照)は広場となり、隣接するJR駅も新幹線対応のためか引き締まった改良がなされている。

こちら側を駅裏と呼んでいいものか戸惑いもあるが、高畠線はこの東口から出発していた。
A 糠ノ目駅跡写真
02年8月
高畠鉄道廃線跡写真 B この広場の北からは廃線跡を利用した遊歩道、「まほろばの道」(B参照)が始まる。隣接して無料の駐車場も整備され、JR利用者に結構利用されている。

・・・「まほろば」とは万葉集や古事記にも詠われる言葉で、すばらしい場所・風土という意味・・・
02年8月
また駅を跨ぐ東西連絡橋も設けられ、当時糠ノ目と呼ばれた駅名も今では高畠に改められている。この駅名変更を含め、現時点ではここが高畠線の中でもっとも変貌の激しい場所。

糠ノ目を出た廃線跡は「まほろばの道」として北東に向うが、途中、当地出身の童話作家「浜田広介記念館」をかすめる。
この記念館手前に流れる和田川の橋梁(C参照)は、橋台と桁が更新されているものの、橋脚は当時のまま再利用されている模様。
C 和田川橋梁写真
02年8月
高畠鉄道廃線跡写真 D 一本柳には広い駅前広場が残り、舗装はされているが今のところ未利用のまま。
ただこの広場は鉄道のものではなく、駅前にそびえるJA倉庫の敷地と考えられる。

「まほろばの道」(D参照)は田園の中をさらに北東方向へと続く。
02年8月
竹ノ森(E参照)高畠同様の立派な駅舎だったが、今は公園となり当時のホームが一部残るのみとなる。
自転車道の休憩場所としは最適だが、公園の由来に関する説明表示等がいっさい無いのは残年だ。

ここからは南東に方向を変え高畠目指して進む事になるが、ここで突如として目に飛込んでくるのが相森山。田園ののどかな風景の中では違和感に満ちているが、当時はこの小高い山を背に山形交通電車が走りぬけていた。
E 竹ノ森駅跡写真
02年8月
高畠駅跡写真 F 高畠(F参照)には当時の駅舎、車両が残る。駅舎は特に再利用されているわけでもなく、鉄道の遺産として保存されているのだろう。敷地も大きく、この鉄道の中心地だったことは十分偲ばれる。
駅舎は当地産の高畠石を使ったとみられ、駄子町付近にその切り出し場が公園として整備され、今も残っている。

また駅への取り付け道路は二車線の立派なもので、駅の重要度を象徴するようだ。
跡地はバスターミナル等として活用出来る広さを持つが、町の中心からはかなり離れており、残年ながら利用価値は低そうだ。
02年8月
車両も保存されているが(G参照)、塗装にも劣化が目立ち程度はあまり良いとはいえない。枕木にPC枕木を利用しているのもご愛嬌か。

・・・対面のホームには滑り易い場所があり、雨の日の見学にはご注意が必要・・・

高畠を出ると本線からジークライト工業へ向かう専用線が分岐する。本線とは別の橋で屋代川を渡り、二井宿までの区間廃止後も残っていた。
G 保存車両写真
02年8月
高畠鉄道廃線跡写真 H 本線は同じく屋代川を越え、しばらくすると国道113号に合流する。この合流部(H参照)が「まほろばの道」の終点となる。
高畠線の路盤はこの先国道建設に利用され、2車線の道路に転換されている。

なお屋代川に架かる橋梁の専用線部は既に無く、本線部も架け替えが済んでいる。

国道上を東に進むと東高畠八幡宮前蛭沢上駄子町と各駅が続くが、すべて道路に転用され、駅跡などの痕跡発見は難しく、旧版地形図により当時の所在地付近を確認するにとどまる。
02年8月
終点の二井宿(I参照)は廃止後製材所となるが、かなり荒れ果てており現在も操業中なのか判然としない。
敷地内にホーム跡があるとの情報もあったが、夏草に覆われて発見することは出来なかった。

なお駅を含めた終端部だけは国道転用から外れ、一部が生活道として地元で活用され、また当時の駅前通りも未舗装まま残されている。
I 二井宿駅跡写真
02年8月

参考資料

  1. 鉄道ピクトリアル通巻128号/山形交通/川上幸義 著・・・私鉄車両めぐり
  2. 鉄道廃線跡を歩く Ⅲ/宮脇俊三 編著/JTB
  3. RM LIBRARY 82/山形交通 高畠・尾花沢線/鈴木洋・若林宣 著/ネコ・パブリッシング

参考地形図

1/50000   赤湯 [S6修正]   米沢 [S6修正]   上山 [S38資修]
1/25000   赤湯 [*S45測量]   糖野目 [S48測量]   二井宿 [該当無]

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最終更新2014-10/14 
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