江名鉄道を訪ねて
地区：福島県いわき市 区間：栄町～江名／4.9km 軌間：1067mm／単線 動力：内燃
| 昭和 | 28(1953) - | 1/ | 12 | 江名鉄道 | 開業 |
| 41(1966) - | 2/ | 15 | 〃 | 休止 | |
| 42(1967) - | 11/ | 15 | 〃 | 廃止許可 |
| 起点の栄町[さかえちょう](写真A)は市営小名浜魚市場の前に置かれていた。始発といっても片側に簡素なホームを備えただけの停留所で、列車はすべて小名浜臨港鉄道に直通し、両社を分ける目印として設けられたような施設だった。跡地は四車線に拡幅された市道に飲み込まれ、魚市場も今は更地に変わっている。 | A |  |
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04年08月
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B | 市道に転用された線路敷は一旦南東方向に進んだ後、左カーブで東に向きを変え、そのまま第一小名浜トンネル(写真B)へと向う。二つ並ぶ道路トンネルの左側が鉄道用を改築したものといわれ、現在は小名浜港トンネルと呼ばれている。ポータルがなんとも奇抜だが、港に出入りする船を形取ったものだと聞いた。 | |
| 04年08月 |
| 続いて第二トンネルもあったが、こちらは市道新設時に埋め戻され痕跡は発見できない。トンネルの先は線路跡と市道のルートが再び一致し、海に向かって緩やかな勾配を下ると水産高校前(写真C)に着く。高校は現在、県立いわき海星高校へと変っている。 | C |  |
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| 04年08月 |
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D | 海岸線に出て北東に向きを変えたのち、県道15号線に合流し併走をはじめる。鉄道が海寄り、道路が陸寄りだ。当線の前身ともいえる磐城海岸軌道が、以前敷設されていた県道でもある。 現在、跡地の大半は県道の拡幅に利用されるが、取り残された箇所もあり、近年整備された防災緑地の遊歩道(写真D)は、一部区間で鉄道ルートに近似する。 |
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| 19年10月 |
| 次の永崎(写真E)は島式ホームを持つ主要駅で、海水浴場の玄関口として一時は国鉄から8両編成の列車が直通する程賑わったが、晩年は無人駅に格下げされている。西側に貨物側線を備え、江名港や中之作港で水揚げされた水産物を出荷していたとの話も聞いた。この区間は海岸沿いを走るため海の影響を強く受け、台風の高波による護岸決壊が路線廃止の大きな要因となっている。 | E |  |
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04年08月
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F | 駅の手前から旧県道は山側へ分離し、新県道側は江名鉄道の跡地を拡幅、転用して建設されている。 道なりに進み、江名中学校の正門付近(写真F)で再び旧県道と合流したのちは、連続した上り勾配が続く。 |
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| 04年08月 |
| 当時旧道と線路は若干離れていたが、今は両者含めて新県道に変わっている。北側の歩道がやけに広いのは、旧道の名残でもある。 上り坂の終了地点に位置した馬落前[もうじまえ](写真G)は、馬落薬師の正面と聞いたが既に痕跡はなく、正確な位置の特定はできなかった。古くからの伝説がありそうな地名にも興味がわく。 |
G |  |
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| 04年08月 |
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H | 駅を出て旧道が海側へ分かれた後、すぐ当線で三番目のトンネル(写真H)に達する。現在は道路トンネルに改築され中之作南トンネルと呼ばれるが、鉄道時代は第一中之作トンネルと命名されていた。 | |
| 19年10月 |
| 続けて第二中之作トンネル(写真I)も掘削されていたが、こちらは県道建設時に開削されてしまった。 5キロ弱の路線にトンネルを5ヶ所も要した江名鉄道。その地形の険しさが建設費を押上げ、開業後の経営を圧迫したことは想像に難くない。 |
I |  |
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| 04年08月 |
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J | 連続したトンネルに挟まれていたのが中之作(写真J)で、海岸から上ってくる小道との交点南に置かれていた。東側に駅舎が建てられていたこと、中に理髪店があったこと、南行車線が線路跡に近いこと、当時は築堤上を走っていたこと、西側の住宅はのちに盛土して建てられたこと、等の話を聞くことができた。 | |
| 04年08月 |
| 駅の北には江名トンネルを含めた緩やかな S字カーブが待ち構え、最後の左曲線を終えると終点江名(写真K)に到着する。終端駅で、なおかつ小名浜臨港鉄道が乗り入れていたこともあり、多数の側線を含めた大きな構内を有していたが、跡地は既に道路や民家に細分化され、当時の面影はどこにも残されていない。 | K |  |
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| 19年10月 |
| 1/50000 |  小名浜 |
[S37資修] |
| 1/25000 | 小名浜 |
