地区:京都府与謝野町 区間:丹後山田〜加悦(5.7km)/岩滝専用線/大江山専用線 軌間:1067mm/単線 動力:蒸気→内燃
本来は官設鉄道が通過する予定だった加悦谷地区。ところがその宮津線が北回りに変更されたため、地元資本で加悦鉄道を開業した。当初は特産の丹後ちりめん等を輸送していたが、大江山鉱山が開発されると両端に専用線が追加され、鉱石列車が直通を始めた。鉱山の閉鎖後は旅客を中心として営業を続けたが、距離の短さも災いしたのか昭和の終盤に廃止されている。
路線図 |
略史 |
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A | 加悦鉄道の北端から岩滝にある日本冶金大江山製造所まで貨物専用線が延び、本線と区別するために岩滝線と呼ばれた。 工場内の様子は知る術もないが、西を流れる野田川に右岸橋台跡(A参照)、対岸には削り取られた築堤跡(B参照)が残されている。 |
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19年4月 |
南に向かう跡地は特に利用方法が決まるわけでもなく、空き地として続いていく。途中、暗渠やその跡と思われるコンクリート基礎を見つけることができる。築堤はすべて削られた訳ではなく、中途半端に残された区間(C参照)もある。その築堤が本来の高さに戻ると、直後に旧宮津線が行く先を横切る。片側に残された橋台(D参照)が、オーバークロスで交差していたことを物語っている。 | B | ||
19年4月 |
C | D | |||
19年4月 | 19年4月 |
E | 現在は京都丹後鉄道となった旧宮津線を越すと両者は併走し始め、岩滝線側は線路跡を利用した遊歩道(E参照)へと変わる。加悦岩滝自転車道の名称が付くものの、自転車歩行者専用の標識はなく、車止もあったりなかったりと、場所により臨機応変に活用されているようだ。 | ||
19年4月 |
しばらく進むと加悦鉄道の起点、丹後山田(F参照)に滑り込む。駅名変更された現与謝野駅の東側に島式ホームを持ち、側線も数本備えた大きな構内を持っていた。今は空き地が広がり、一部植樹された区域もある。旧宮津線との乗換駅で、旅客扱いもここから始まっていた。 | F | ||
19年4月 |
G | 駅の先は野田川に沿って加悦谷と呼ばれる地域を進む。川の水を生かした特産丹後ちりめんの輸送が、当初の目的の一つでもある。 南西に向かう自転車道は、国道312号線を越えて最初の駅水戸谷(G参照)に着く。跡地にはトイレ付の休憩所ができている。 |
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19年4月 |
丹後四辻(H参照)では自転車道が大きく屈曲する。対向施設を持っていた広い敷地の一部が、府営住宅や公園に利用されたためだ。 駅の南に流れる岩屋川では、角度を直角に変えて歩行者橋が架けられている。 |
H | ||
19年4月 |
I | 加悦谷高校前(I参照)にも駅名標を模した案内板が立てられ、写真、歴史、路線図を添えてその存在をしるしている。当線は全ての駅跡に同様の案内があり、また構内と思われる区間では道路上に線路模様も描かれる。さらに駅間距離の短い三河内口(J参照)、丹後三河内(K参照)も同様の形態で続く。 | ||
19年4月 |
J | K | |||
19年4月 | 19年4月 |
加悦奥川を渡ると、現在は市役所となった終点加悦に到着する。当時の駅舎(L参照)が場所を移して保存され、内部は鉄道の資料館となるが、土日のみ開館のため注意を要する。北端にはサイクリングロードとしての休憩所が設けられ、市役所の裏側には転車台跡の案内板もある。 | L | ||
19年4月 |
M | 加悦鉄道の終点ではあるが、駅の先には大江山線と呼ばれる鉱山への専用線が続く。岩滝側と違って旅客列車も運行されたが、第二次世界大戦後、大江山鉱山が廃坑になると、しばらくして路線は休止されてしまった。 自転車道はその路盤上を南下し続け、途中の滝川では当時のプレートガーター橋(M参照)が再利用されている。 |
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19年4月 |
川の右岸には桜内(N参照)の案内板が設置されている。しかし地形図には記載がなく、説明書きによると開業予定のままで終わったとある。つまり駅跡ではなく、駅予定地跡ということになる。 道路はここから緩やかな上り坂に掛かる。 |
N | ||
19年4月 |
O | 最後の橋梁、野田川(O参照)は橋台橋脚共に鉄道用と思われるが、桁はコンクリート製でかなり劣化が認められるものの、当時のものか換装されたものか判断はできなかった。 | ||
19年4月 |
橋を渡ると道路は一気に急勾配(P参照)となる。ただ、ここに大江山鉱山の旅客ホームが置かれていたことから、勾配は後から変えられたとも考えられる。 | P | ||
19年4月 |
Q | その後、SL広場(Q参照)に突き当たり自転車道は終了する。この広場が貨物駅としての構内中心となる。広場には重要文化財のSL他、多くの車両が展示保存され、資料館も併設されている。 | ||
19年4月 |
1/50000 | 宮津 | 大江山 | ||||
1/25000 | 四辻 | [S52修正] | 大江山 | [S47改測] | 宮津 | [S52修正] |